2024年3月20日から、沖縄の知られざる戦後を物語る2つの舞台作品「島口説(しまくどぅち)」「密航者」の公演が決定しましたのでお知らせします。
<ご案内>
「島口説(しまくどぅち)」について
島口説(しまくどぅち)
泣いて 笑って
笑って 泣いて
島人ぬ物語
米軍基地の街
沖縄市にある一軒の民謡酒場。
店で働く二人の女が独特の
ウチナー大和口で客たちに語りかける。
「私の話を聞かないと 本当の沖縄のことはわかりませんよ」
そう前置きして語り出したのは・・・
巨大なアメリカに立ち向かった小さな島人の歌。
沖縄の戦後史
「島口説」の紹介については、以前に琉球舞踊家の仲里綾香さんに伺ったお話を再掲します。
謝名元慶福(じゃなもと・けいふく)さんが自身の体験などをもとに書き上げ、どう届けるかということで、より伝わりやすい演劇という形になったと伺っております。
「島口説」は最初、北島角子さんの一人芝居として始まりました。海外を含めて300回以上の公演が行われており、現在の二人バージョンになったのは2018年6月からです。公開されると沖縄県内のみならず全国で評判を呼びました。
平和学習を通じて沖縄戦についてはそれなりに知ってるつもりでしたけど、そこから先の戦後、本土復帰の話って意外と私たちでも知らないことが多かったのだなと痛感しました。
自分のルーツをちゃんと知らなかったなって。
「島口説」はすみこという人物を軸にして話が進むのですが、旦那さんが「戦争でひとりになったけどすみこと結婚して家族ができた、ひとりじゃなくなった」という言葉がとても響きましたね。
すべてを失ったけど希望が少しずつ生まれていく。
「日本は、沖縄はアメリカに守られた」という方もいて、確かにその一面はあるかもしれないけど、その一方で私達の入ってはいけないところまでアメリカが迫っていたんだなと。
アイデンティティが失われるほど、アメリカ統治の時代ってすべてが荒らされていたんだなと。
軍人さんをすべて悪い人とするわけではないけれど、戦争に行くストレスを持ち込んでくる人もいて、そこで沖縄の人々がひどい目にあったり。
「沖縄を返せ」という歌があるんですよ。歌は知ってはいたけど「こういう強い思いで歌っていたんだな」とわかる場面も出てきます。
今は「沖縄の人は明るい」と思われていてそれは良いのだけど、「なぜ笑ってるのか?」ってところを知ってもらいたいです。
なぜ悔しくても悲しくても笑っているのか?「島口説」を見ればわかると思います。
またウチナーグチもたっぷり聞けて、なおかつ標準語で訳されてるので言葉遊びとしても誰でも楽しめると思います。
重い内容もありますけど、飽きずに惹き込まれていくと思います。これを見れば沖縄の心もわかると思います。
いろいろな方に見てもらいたいし、こういう時代があったと体感していただけるとまた沖縄に対して見える景色が変わってくると思います。
『密航者』について
「清次郎にあいたい」
1955年、ヒロ子は冬の嵐が荒れ狂う暗い海、
引かれたばかりの27度線を越えていく。
1955年、冬の嵐が荒れ狂う暗い夜、
一艘の密航船が引かれたばかりの27度線を越えて沖縄へ渡った。
乗っていたのはヒロ子という女。
一か月後琉球政府出入管理部の取調室にヒロ子が連行されてきた。
取調官とヒロ子の攻防がはじまる。
北緯27度線は、沖縄県最北端の国頭村辺戸岬と鹿児島県最南端の与論島間の海上にある緯度です。
第2次世界大戦終結後、この北緯27度以北にある奄美群島は1953年に日本へ返還されましが、沖縄は1972年に本土復帰を果たすまでの戦後27年間、米軍の占領統治下に置かれました。
沖縄の住民が日本本土へ渡航するためには、高等弁務官が発給するパスポート、正式には「日本渡航証明書」が必要だったのです。
北緯27度線はいわば、戦後もアメリカに統治されていた沖縄と日本を隔てる国境線でした。
『密航者 ~波濤をこえて~』は、戦後の沖縄で時代に翻弄されながらも一途な愛を貫く女性を描いた作品です。
脚本を手掛けたのは、沖縄の歴史研究家でもあり小説家でもある嶋津与志さん(本名:大城将保)。演出は、2年連続読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞した眞鍋卓嗣さんです。
そして、主役となる中島ヒロ子役を演じるのは、那覇市出身でフランス在住のダンサーであり、俳優でもある外間結香さんです。
外間結香(ほかま ゆいか)
1988年沖縄県那覇市生まれ。飯島バレエスクール出身。シンガー・ソングライターのCocco(コッコ)らと共にクラシックバレエを学ぶ。安岡中学校卒業後、2003年に単身でフランスに渡り、リヨン国立舞踊音楽学院へ進学。2011年にリヨン国立舞踊音楽学院を卒業後は、コンテンポラリー・ダンスのダンサーとして活動する。2017年に演出家イヴ=ノエル・ジュノーと出会い、俳優としての活動も開始する。2017年に一人芝居『ラマン』(マルグリット・デュラス原作)をパリ郊外のパンタンで上演する。
公演情報
■『島口説(しまくどぅち)』公演日
2024年
3月20日(水)19:00
3月21日(木)14:00
3月22日(金)14:00/19:00
3月23日(土)14:00
■『密航者~波濤をこえて~』公演日
2024年
3月27日(水)14:00
3月28日(木)14:00
3月29日(金)14:00/19:00
3月30日(土)14:00
■会場
R’sアートコート
東京都新宿区大久保1-9-10(労音大久保会館)