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温かな空気と共に~「ばちらぬん」特別試写会の感想(川崎沖縄県人会館 )

ばちらぬん試写会

 

平良英之
ハイサイ!東京うちなんちゅ会の平良英之です。

 

来間祐一郎
来間祐一郎です。

 

2022年4月22日、川崎沖縄県人会館で行われた映画「ばちらぬん」の特別試写会に参加してきたのでその模様と感想をお届けします。

みずみずしい感性と温かい交流に溢れた素敵なイベントでした。

 

<ご案内>

 

「ばちらぬん」とは

ばちらぬんポスター
東盛あいかさん

 

 

「ばちらぬん」は沖縄県与那国島出身の東盛あいかさんが京都芸術大学在籍中に卒業制作として作られた作品です。

「ばちらぬん」とは与那国島の言葉で「忘れない」という意味を持ちます。

東盛さんは初監督・初主演ながら「ぴあフィルムフェスティバル2021」グランプリを受賞して全国公開が決定しています。

今回、沖縄に縁が深い神奈川県川崎市にある川崎沖縄県人会館にて特別試写会が行われました。

 

川崎沖縄県人会館
試写会

 

「ばちらぬん」の感想

 

来間祐一郎
以下、来間の個人的かつ主観的な感想です。

 

「ばちらぬん」では与那国島の人々のドキュメンタリー的な生活描写シーンが多く出てきます。

子どもたちがいて、漁があり、祭りがあり、おばあちゃんが語り、何気ない暮らしがあり。

淡々と日々を生きる人々。

 

ばちらぬんタイトル
馬
ヨナグニサン
三線
与那国島3
儀式
縁側
アサ

 

そして時折はさまれる幻想的なシーン、断片的な言葉のやり取り。

 

グァバ
クバ笠とウブル
ナミ
ポスト
ハジチ3
なみ
ハジチ
焚き火

 

明確に方向づけされたストーリーがあるわけではなく、かと言って主張が無いわけでもなく。

垣間見えるのは少しずつ失われ、変容していく故郷への不安やそこはかとない悲しみ。

強く生きていこうとする思いが見られたかと思えば、漠然と不安や戸惑いに包まれて宙ぶらりんとなったり。

それでもあきらめずに前を向こうとする切なる思い。

東盛監督の中に漠然と生まれては消えていく、蜃気楼のような思いをそのまま形にしたようなファンタジーシーンの数々は、彼女の心象風景を忠実に再現するために必要なアプローチに思えました。

だからこそ、ファンタジーなのにとてもリアリティを持って心に響いてきたのだと思います。

「ばちらぬん」は新型コロナが広がり始めた頃に企画・制作されたそうです。

その不安定な世相も滲み出ている気がして、それでも生きたい、人とつながりたいと希求する世界中の人々の普遍的な思いも象徴され、根底に流れているように感じられました。

そしてすべての思いは与那国島の豊かな自然に吸い込まれ、昇華されていく。

若くみずみずしい感性と、発展途上の段階にあるからこそ紡ぎ出せる、ダイヤの原石のような不思議な魅力と普遍性を持った作品という感想を持ちました。

 

上映後の東盛監督のお話

東盛あいか監督のお話

 

私が中学生の頃はまだ与那国には自衛隊の基地もなく、少しずつ失われていく伝統文化やおじいちゃんおばあちゃんが老いていくさびしさ、不安を感じてたんですね。

何かが消えて、自分のアイデンティティが欠けていってしまうような感覚。

それらを、この与那国島の出身である自分が記録することに意味があるんじゃないかと思って映像に収めたくなりました。

実は私はもともと俳優志望だったのですけど、大学で俳優を学んでいく内にだんだん作り手側に興味を持つようになりました。

そしていつしか「与那国島で映画を撮りたい」という思いが芽生えていきました。

今作は「監督がやりたかった」というよりは「与那国島を撮りたくて監督をやった」という気持ちが強いです。

今作はドキュメンタリーとフィクションが掛け合わさった、珍しい映画です。

もともとは与那国に仲間をみんな引き連れて島でオールロケの長編フィクションを卒業制作で撮ろうとしてたんですけど、私が4回生になる頃にちょうど新型コロナが広まり撮れなくなったんですね。

そこで企画を練り直すことになったのですが、その時、世界中の人が「人とのつながり」を強く求めてたと感じます。

私も仲間がいる京都に帰れなくなり島にひとりでいた。

でも映画なら場所も時間も関係なくつながれるんじゃないかと考え、今作に取り組み始めました。

ドキュメンタリーだけで良かったんじゃないかという感想もあるんですけど、私がファンタジーシーンを混ぜたのは、目の前のことだけじゃなく、見た人それぞれの「ばちらぬん」だったり与那国島だったり、潜在意識や五感を刺激できるんじゃないかと思ったからです。

「ばちらぬん」は私の分身のような個人的な映画でもあるんですけど、今それが様々な人に見てもらって感想を頂くことで「見る人に様々な思いをもたらす普遍性を持った映画なんだ」という発見もありました。

初めての監督作品だし、見てもらうまでは不安でしょうがなくて怖かったんですけど、様々な感想をもらった時に作って良かったなとやっと安堵しました。

与那国島を題材にしてるけど、見た人にとってはその人の故郷を思い出すかもしれないし、自分の大切な人を思い出すかもしれない。

「ばちらぬん」が、そんな様々な思いを巡らせるきっかけになれたらいいなと思ってます。

 

交流の模様

「ばちらぬん」は、与那国島をテーマにしたもうひとつの映画「ヨナグニ~旅立ちの島~」と共に全国公開されます。

 

YONAGUNI

 

こちらはイタリア出身の映像作家アヌシュ・ハムゼヒアンさんと写真家ヴィットーリオ・モルタロッティさんのコンビが監督を務めたドキュメンタリー映画です。

 

YONAGUNI監督スピーチ

 

この日はこのお二人も参加して、さらには5月に公開される映画「義足のボクサー GENSAN PUNCH」の主演を務める俳優の尚玄さんも参加され、豪華な顔ぶれとなりました。

 

尚玄さん
義足のボクサー
4人のお写真

 

上映後は和やかな交流が交わされ、全員で記念撮影も行うなど温かいひと時となりました。

 

集合写真
ばちらぬん試写会
尚玄さんと平良英之
尚玄さんと来間

 

「ばちらぬん」「ヨナグニ~旅立ちの島~」「義足のボクサー」の上映スケジュールもぜひチェックしてみてください。

 

上映スケジュール

「ばちらぬん」「ヨナグニ~旅立ちの島~」

5月7日(土)より東京・新宿K's Cinema、アップリンク吉祥寺ほか、全国順次公開

公式サイト

 

「義足のボクサー GENSAN PUNCH」

5月27日(金)より沖縄先行公開 6月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷にて先行公開 6月10日(金)より全国公開

公式Facebookページ

 

 

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