今回は2023年6月30日(金)に開催される琉球芸能公演シリーズ「琉球の綾音」をお知らせします。
第8回となる今回は、東京都江東区にて「江戸上り」をテーマにした演目を中心に楽しめる公演となっております。
以下に公演の詳細と出演者の声をお届けします。
<ご案内>
「琉球の綾音」とは
「琉球の綾音」メンバー
【琉球舞踊】
赤嶺奈津子(左上)
赤嶺真希(右上)
仲里綾香(中央)
【唄・三線・箏】
細川拓実(上中央)
親川遥(右下)
宮城初夏(左下)
「琉球の綾音」は、琉球古典芸能の若手実演家6人を中心に、2021年から定期的に自主開催されているシリーズ公演です。
主に東京を中心に展開されています。
琉球芸能にも新旧さまざまな演目がありますが、「琉球の綾音」は琉球王朝時代より受け継がれてきた伝統的な琉球舞踊、琉球古典芸能を大切に考え、若手によってその魅力を体現してお届けするという点に特徴があります。
「綾」とは琉球の言葉で「美しい」という意味を持ちます。
琉球王朝時代より受け継がれてきた美学と感性を若手実演家たちが優雅に、爽やかにお届けいたします。
「琉球の綾音」と琉球古典芸能の魅力については、こちらの記事もご参照ください。
その「琉球の綾音」の第8回公演が、2023年6月30日(金)に東京都・江東区のティアラこうとう小ホールにて開催されます。
今回のテーマは「江戸上り」。
琉球王朝時代、幕府将軍や琉球国王の代替わりなどの際に琉球王府は江戸へ使節団を派遣しました。このことを「江戸上り」と称し、使節団は公務をはじめ舞楽を演じた記録が残されています。
江戸への旅立ちは季節風を考慮し6月ごろの初夏に琉球を出発、秋に薩摩に到着し江戸で冬を過ごし、翌年の春に琉球に戻るという長く厳しい旅路でもありました。
諸芸能をはじめ、琉球の文化にも大きな影響を与えた「江戸上り」。 当時の人々が眺めた旅の情景や、どんな思いで旅路へと赴いたのか、また再会を願い祈りを捧げた家族の思いなども想像しながら鑑賞していただきたい、とのことです。
【予定演目】※2023年6月15日現在
- 四つ竹
- 上り口説
- ゼイ
今回の公演への思い
「琉球の綾音」メンバーの皆様に今回の公演への思いを伺いましたので、以下にお届けします。
【親川遥】
今回の公演では、琉球舞踊「上り口説」の地謡をつとめさせていただきます。
「上り口説」は首里観音堂を出発し、薩摩の山川港に到着するまでの旅路を描いた舞踊です。勇壮で軽快なリズムをもつ「二才踊り」であることから、男性が地謡をつとめることが多い演目でもあります。
ひとつひとつの歌詞を丁寧に、情景が浮かぶよう演奏いたします。
【赤嶺奈津子】
今回、私は「四つ竹」を披露します。琉球舞踊の中では最も踊られている演目ではないでしょうか。
舞踊教室に来る生徒さんも「四つ竹を見たことがきっかけで琉球舞踊に興味を持ちました」という方が多くいらっしゃいます。
黄色の鮮やかな紅型衣装で花笠をかぶり、四つ竹の心地よい響きとともに踊るのが特徴です。
歌詞は、
打ち鳴らし鳴らし
四つ竹は鳴らち
今日や御座出て 遊ぶ嬉しや
おもてなしの心や、時間を忘れて踊りを楽しむ優雅な様子が垣間見れます。
平和で淡々と流れる音楽も魅力的で、この平和な空間が永遠にあるのではないかと錯覚してしまうほど美しい作品だと思います。
通常は大勢で踊ることが多い演目ですが、今回は1人舞でしっとりと心を込めて踊りたいです。
また、姉妹では二才踊りの「ゼイ」を踊ります。江戸上りでも披露された演目で、勇ましい男踊りです。
麾(ぜい)とは軍勢の指揮をとる旗のことですが、歌詞では平和や五穀豊穣を願った内容を歌っています。前半の器楽曲「渡りざう」「瀧落菅攪」は厳かで重厚感のある音楽も魅力的です。
勇ましく指揮を取り、平和な世の中へ導くことを願った作品を古典舞踊ならではの表現で皆さまにご覧いただきたいです!
【赤嶺真希】
私は今回、紋付衣装を着て男踊りを2題披露します。
「上り口説」は、6歳で琉球舞踊を習い始めた私が基礎であるかぎやで風に続いて2曲目に習った曲です。小さい頃は眠くなるかぎやで風に比べるととても速い曲で、お扇子使う楽しい踊りという印象がありました。
私が高校に通っていた首里やお稽古に励んでいた大道が出てくる曲で、今でも踊るときには生まれ育った那覇の情景が思い浮かびます。Youtubeで上り口説の旅路を復習して、鑑賞していただくとさらに面白いかもしれません。
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今回のテーマである江戸上りを代表とする曲で、凛々しい武士の様子を表現したいです。
「ゼイ」は旗を持ち指揮を執る武将を描いた作品で祝儀舞踊として踊られております。4曲構成で最初の2曲は歌詞がなく引き締まった印象で、
後半は平和をたたえる『揚作田節』と喜びに満ちた『浮島節』です。
曲調が変化し見ごたえのある作品を、二才(若者)の爽やかさと共にお届けいたします
【細川拓実】
琉球古典音楽は深い歴史と独自の旋律を持ち、様々なストーリーテリングがあります。美しさや哀愁、喜びや悲しみなどの感情が、30文字で構成された琉歌に凝縮されています。
また、穏やかな旋律や響きによって心を癒し、リラックスしてお聴きいただけると思います。
心を込めた舞台で、最大限のパフォーマンスができるよう努めてまいります。
【仲里綾香】
様々なテーマを設けて開催してきた「琉球の綾音」。
これまでは季節をテーマにお届けして参りましたが、今回からは「歴史」にも焦点を当て琉球芸能の演目はもちろん、琉球芸能の歴史についてもご紹介する公演となっております。
ぜひ琉球国時代をご想像いただきながらお楽しみいただきたいです
【宮城初夏】
今回の演目の「ゼイ」では、琉球箏曲の段物の通称1段と呼ばれる瀧落菅攪を他楽器と演奏します。
また、通称2段と呼ばれる地管攪を独箏しますので、是非聴き比べて楽しんでいただけたらと思います。
公演情報
【日時】 2023年6月30日(金)18:30開場/19:00開演
【場所】 東京都江東区 ティアラこうとう小ホール
【チケット】 全席自由 前売り4,000円 /当日4,500円
【出演】 唄三線/親川遥 唄三線・笛/細川拓実 舞踊/赤嶺姉妹 箏/宮城初夏 解説/仲里綾香
【チケット購入方法】 インターネット https://www.funity.jp/tickets/oyakawa/show/oh202306/1/1/ ファミリーマート(FamiポートTOP、チケットボタンから「親川遥」で検索)
【お問い合わせ】 よしもとエンタテイメント沖縄/[電話]098-861-5141 平日10時~18時 [MAIL]info@oyakawaharuka.com