東京(関東)の沖縄イベント情報

現代版組踊「肝高の阿麻和利」東京公演のお知らせ~沖縄の中高生が20万人を感動させた舞台

 

「圧倒的素人集団の感動的な舞台、ぜひ目撃しに来てください!」

 

そう語るのは8月20日、21日に文京シビックホールにて開催される現代版組踊『肝高(きむたか)の阿麻和利(あまわり)』東京公演で総合演出を担当する平田大一さんです。

今年5月の東京沖縄県人会総会、7月の「沖縄フェア in 浅草」でも精力的にPRもされています。

今回は『肝高の阿麻和利』東京公演のお知らせと、平田さんのインタビューをお届けします。

(インタビュー:平良英之)

 

<ご案内>

 

現代版組踊『肝高の阿麻和利』とは

 

組踊とは琉球王国の時代から約300年間受け継がれる歌舞劇で、琉球舞踊や琉球音楽、琉球の伝説や故事を用いてストーリー性を持たせたものです。

現代版組踊はその組踊をベースに現代音楽とダンスを取り入れた、いわば沖縄版ミュージカルです。

『肝高の阿麻和利』は現代版組踊の始まりとなった作品です。沖縄県うるま市の中高生により演じられ、沖縄戦乱時代に勝連城の按司となった風雲児、阿麻和利の生涯を描いた舞台です。

「沖縄の伝統を伝えたい」「子どもたちの居場所を作りたい」この思いから2000年3月の初演以来、公演回数333回を数え、観客動員は延べ19万人を達成。

舞台だけでなく、子ども達の居場所づくりや人材育成、地域づくりの場として県内外から注目を浴びています。

 

【参考リンク】
沖縄に伝わる宮廷芸能「組踊」
現代版組踊推進協議会

 

【肝高の阿麻和利 あらすじ動画】

 

総合演出・平田大一さんインタビュー

今回の東京公演で総合演出を務める平田大一さんにお話を伺いました。

 

平田大一さん

平田大一

1968年、沖縄県八重山、小浜島生まれ。18歳の頃から「南島詩人」を名乗り、詩人、演出家として独自の創作活動を開始。大学卒業後、シマの文化と農業を体験する「小浜島キビ刈り援農塾」を主宰、文化を基調とした地域活性化を一貫して展開。「きむたかホール館長」、「那覇市芸術監督」を歴任、2011年「沖縄県文化観光スポーツ部長」に抜擢、2013年からは「(公財)沖縄県文化振興会」理事長に就任、沖縄文化の司令塔役を担う。他方「くるちの杜100年プロジェクト」や「現代版組踊シリーズ」など、文化に軸足をおいた新たな地域活性化のモデルづくりのトップランナーとしても更なる挑戦を続ける。

 

ー現代版組踊『肝高の阿麻和利』が始まった経緯について教えてください。

そもそも組踊は、中国から琉球王国の新しい国王を任命するためにやって来る中国皇帝の使者である冊封使を歓待するため、18世紀初頭の踊奉行であった玉城朝薫(たまぐすく ちょうくん)によって創始され、1719年の尚敬王の冊封儀礼の際に「二童敵討」と「執心鐘入」が初めて演じられました。

組踊の演目である「二童敵討」はとても人気なんですが、演じられるたびに「阿麻和利は悪者」という風に刷り込まれていました。

転機となったのが2000年に勝連城が世界遺産登録されることが決まったときです。その時「このままではいかん」という声が出てきました。

勝連城が世界遺産登録されるというのに、そこの王様が悪者というレッテルのままでは、子どもたちに何と説明するのか、なんで悪者の王様なのにその城が世界遺産に選ばれたのかということも含めて、「これは名誉挽回を図らないといけない」ということになりました。

阿麻和利は組踊で悪者にされたのだから、挽回は新しい組踊でやりたいということで現代版組踊が誕生したんです。

約560年近く悪者扱いされてきた王様を、わずか23年のこの阿麻和利の舞台の取り組みで、うるま市の子どもたちのみならず全県の子どもたちの印象が英雄説として定着しつつある。

 

 

まさに歴史を変えたと、それも名もなき子どもたちの舞台でです。それが一番の誇りです。

まさに組踊での悪者が現代版組踊で英雄に塗り替えていくんですね、その転換をこの現代版組踊が成し遂げてきたと言っても過言ではありません。

 

ーポスターのメッセージには「なぜ子どもの舞台が22年も続くのか、なぜ20万人が感動したのか、なぜ見た人が力をもらえるのか?」とあります。その答えとは。

ご覧いただいた皆さまからは「一生懸命な姿に心を打たれた」という声が多いですね。

僕らの舞台の合言葉は「一生懸命はカッコイイ」なんです。一生懸命にやっている人を馬鹿にする風潮って今もありますども、そんなのを吹き飛ばして、一生懸命さが勝る、等身大のパワーを発信する子供たちだからこそ、おそらく大人も子供も世代や地域を越えて感動の風、渦が巻き起こる気がしています。

 

ー東京公演開催の経緯を教えてください。

沖縄県うるま市の魅力を発信する『うるま市シティプロモーション』の一環として、『肝高の阿麻和利』東京公演を開催することとなりました。

 

ー東京公演を開催する意義について教えてください。

東京で公演をするということの発信力は相当大きいんです。

2003年に初めて県外公演を行い東京含めて関東5か所で公演を実施した際の出来事は今でも覚えています。その公演は5会場ともに前売り券完売の大盛況でした。

その際、当時大臣だった竹中平蔵さんからも舞台鑑賞の希望があったのですが、もうチケットが完売していて見れないということがありました。そこで竹中さんが沖縄での凱旋公演を見に来てくれたんです。

それまでは「子どもの舞台でしょ?」って位置づけでしたが、大臣が見に来るということになり、そこから県知事や経財界・産業界の方々にも鑑賞していただきました。そこから確固たる地位が出来た気がします。

また東京公演も含めて県外・海外での公演は色々なチャレンジが出てきます。チャレンジするということは、組織力など今まで使ったことがない「筋肉」が求められます。 運営する我々としても「筋力トレーニング」ができてレベルアップしていける貴重な場になっています。

 

ー今回の公演の見どころを教えてください。

沖縄公演でやっているような舞台をそのまま再現ができる点が一番の見どころですね。

通常、県外公演を行う際はどうしても派遣する人数に制限がかかります。学生が中心の舞台なので時間の制約もありますし、費用面での負担も大きい。今回は100人程のメンバーが参加して公演を行います。

 

ー首都圏にいる沖縄出身・沖縄好きな方に向けて今回の公演の魅力についてメッセージをお願いします。

「肝高」という言葉は、世界の共通語だと信じています。肝高の意味は「肝心が高い、誇り高い」っていう意味なんですね。

今、世界を旅した時に自分の生まれた街や国、地域、あるいは自分の仕事や家族、自分自身に本当に誇りを持てるかどうか。その肝高いかどうかが海外に行けば行くほど、問われると僕は思うんです。

肝高の阿麻和利、我が町の王は誇り高き王様なんだと。そして、自分の生まれた町が大好きという、その子どもたちの魂の発信が歌や音楽、踊りとなって会場中に響き渡っていきますので、 それをぜひ見に来てください。

皆さんの心の中にある自分のルーツ、アイデンティティ、自分のふるさとを確認してもらえたらいいなと思っています。 自分たちの原点を知るこの舞台に足を運んでいただいて、自分のプライド、自分自身の誇りについて考えるきっかけになったら嬉しく思います。

 

ー今後の目標・展望を教えてください。

近い将来の大きな目標として、現役の中高校生によるワールドツアーをやれたら面白いと思っています。

演劇中、阿麻和利様のセリフで「あの琉球の船を世界中に走らせてみようじゃないか」という場面があります。これを実現したいですね。

公演を通じて沖縄の子どもたちの肝高さ(誇り高さ)を世界各地で発信したい。舞台という名の琉球の船を世界中に走らせて、世界中の人たちの胸にも火を灯せるような、そういう取り組みができたらいいなと思っています。今後とも応援よろしくお願いいたします。

 

【東京沖縄県人会イベントでのPRの模様】

 

公演情報

【公演名】現代版組踊 肝高の阿麻和利

【日時】

2023年8月20日(日)

1回目:12:00 開場/13:00 開演

2回目:17:00 開場/18:00 開演

2023年8月21日(月)

3回目:10:00 開場/11:00 開演

4回目:14:30 開場/15:00 開演

※4回目のみ開場時間30分となっております ※上演時間:2時間40分(途中休憩あり)

【会場】文京シビックホール 大ホール

【チケット情報】公式ページよりご確認ください

https://tinyurl.com/24q3vuue

 

 

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