エイサーイベント情報2023


沖縄の代表的な伝統芸能であるエイサー。
「沖縄全島エイサー祭り」を始めその活動は県内外でとても盛んで、見るたびに「ちむどんどん」させられます。
関東に暮らすうちなんちゅや沖縄好きの方の中には「東京(関東)でもエイサーが見たいな」「エイサー団体に入って自分も演じたり交流のきっかけにしたいな」と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、中野チャンプルーフェスタ実行委員会副会長、中野区エイサー連合会代表を務める上原慶さんに関東のエイサー最新事情や、始めたい方向けアドバイスなど教えていただきます。

上原さんについてはこちらの動画や記事もご参照ください。
関東のエイサーイベントは、私たちのコミュニティ「東京うちなんちゅ会」のLINE公式アカウントでもお知らせしています。
興味をお持ちの方は以下のリンクからご覧ください↓
<ご案内>

東京(関東)の現在のエイサー事情は?


現在は本来のスタイルを踏襲した「伝統エイサー」と、エイサー踊りの要素を抽出し芸能に特化した「創作エイサー」の2つに分けられます。
まず「伝統エイサー」は地謡(ジュウテー)が三線(サンシン)を弾き、念仏歌や民謡を唄い、生音に合わせて踊ることが伝統的なエイサーを指します。
沖縄では旧盆の3日間に各地域の団体によって伝統エイサーが演じられ、夜通し踊りながら練り歩きます。
一方「創作エイサー」は特に曲目の制限はなく、民謡から沖縄ポップスや流行歌など自由にいろんな曲に合わせて演じられます。
今は「沖縄」にテーマを絞らず楽しむ団体もあり自由度の高さが特徴です。
創作エイサーはエイサー要素を通して様々可能性にチャレンジする広がりを見せる役割を担います。
伝統エイサーは「地域あっての踊り・祈り」という考えが強く、踊り以外の地域貢献活動を重視し根を張り先輩方の教えを語り継ぐという役割を担っています。
双方の役割として、木の枝葉と根のような関係であると思います。
関東で初めてエイサーまつりが開催されたのは1975年横浜鶴見区で開催された「エイサーの夕べ」というイベントだと記録されています。
現在、関東近郊で活動している団体はほとんどが1990年代後半~2010年代に結成された団体です。消費としての沖縄ブームに比例するように各団体・参加人数が減少傾向にあるようです。
その中にあっても、大学生がエイサーサークルを立ち上げたり、地域の保育園・小学校にエイサー指導をおこなう等、地道な活動を通し、沖縄県人でなく、東京生まれ東京育ちのエイサーシンカ(エイサー仲間)が出てきているのは嬉しいことです。
戦後の関東エイサー文化はようやく50年を迎える頃ですのでこれから新しい時代になっていくと思っています。
東京(関東)でエイサーを見るには?


関東の主なエイサーイベント
- はいさいフェスタ(5月・川崎市)
- フェスタまちだ(5月・町田市)
- サンシャインシティ沖縄めんそーれフェスタ(6月・池袋)
- 代田橋ちむどんどん祭り(7月・杉並区)
- 中野チャンプルーフェスタ(7月・中野)
- 新宿エイサーまつり(7月・新宿)
- 鶴見ウチナー祭(11月・横浜市鶴見区)
その中でも特に以下の3つがおすすめです。
- 新宿エイサーまつり
- 中野チャンプルーフェスタ
- フェスタまちだ
新宿エイサーまつり
新宿エイサーまつりは毎年7月の後半に開催されている、関東圏では最大級のエイサーイベントです。
始まりは、2001年に行われた新宿の祭礼時に「活気のある踊り」という事で沖縄のエイサーチームを招き、新宿の商店街の一部地域でエイサーが披露されたのがきっかけです。
これを見た4つの商店街振興組合(新宿大通商店街振興組合・新宿東口商店街振興組合・歌舞伎町商店街振興組合・新宿駅前商店街振興組合)の役員が「エイサーは新宿の街に最も相応しい踊りではないか」と意見一致した結果、新宿の各組合一丸のイベントとして毎年開催しています。
新宿エイサーまつりは新宿駅東口付近を中心に、伝統・創作エイサー約20団体が参加し、100万人を超える集客力を誇ります。
中野チャンプルーフェスタ
中野チャンプルーフェスタは中野駅北口周辺で、こちらも毎年7月・海の日の3連休の土日に開催されている地域イベントです。
2005年から開催されています。

中野区には1970年に「沖縄郷土の家(1970年~1984年)」が開設されたこともあり沖縄出身者が多く、エイサーや三線などの沖縄文化が根付いている地域でもあります。
エイサー披露を中心としたお祭りで沖縄料理の屋台なども多く出店され、中野でありながらまるで沖縄にいるような気分を味わえます。
本場沖縄エイサーイベントの最高峰「沖縄全島エイサーまつり」関連イベントには中野区のエイサー団体は6度出場派遣している関東屈指のエイサーどころです。
フェスタまちだ
東京都町田市恒例のエイサー祭りをメインとする一大イベントです。
町田市内のエイサー団体のみならず、本場の沖縄をはじめ全国からエイサー団体を呼んで開催されます。
エイサーのほかにも琉球民謡、琉球空手など勇壮な演舞を披露し、街中を沖縄一色に染めます。
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この3つ以外にも様々なエイサーイベントが関東では開催されており、各所で盛り上がりを見せております。

東京(関東)でエイサーを始めたい方へ。参加するには?


まずは以下の3点を事前に調べておくのがオススメです。
- やってみたいジャンルは「伝統エイサー」か「創作エイサー」か
- 家や会社の近くなど生活範囲に近い場所で練習をしている
- 団体の動画などを検索して好きな踊りであるか
あとはほとんどの団体がホームページや各種SNSページを持っているので問合せをすると気軽に練習見学ができます。
また「エイサー好きだけど踊りは苦手」という方もいらっしゃいます。「踊らないと入会できない」とうことは一切なく、宴会係や記録係として関わる人達も多くいます。
雑踏の東京で「一緒にいる」コミュニティができるのがとても大切だと思います。
具体的なエイサー団体としては、例えば東京都世田谷区を中心に活動するエイサー団体「和光青年会」、東京都町田市を中心に活動する「町田琉」、創作エイサー団体であれば「昇竜祭り太鼓」などがおすすめです。
関東の主なエイサー団体一覧
- 東京沖縄県人会青年部 エイサー隊(伝統)
- 東京中野真南風エイサー(中野・伝統)
- 東京中野区新風エイサー(中野・伝統)
- 和光青年会(和光・伝統)
- 町田流(町田・伝統)
- 昇竜祭り太鼓(創作)
- 琉球國祭り太鼓(創作)
- 美ら星エイサー(世田谷・伝統)
- 園田エイサー・美ら桐朋(伝統)
- 心~くくる~(創作)
- なんくるエイサー(渋谷&新宿・創作)
- 上石神井琉球エイサー会(上石神井・伝統)
- エイサーシンカゆい(千葉)
- 成田エイサー美ら海会(成田・伝統)
- 方南エイサーむるち組(杉並区・創作)
私の活動地である中野区のエイサー活動もご紹介しておきます。
中野区は1979年に「東京沖縄県人会青年部エイサー隊」が結成され、地域でエイサーを踊るだけでなく沖縄祭りを開催し、地域に見守られ沖縄文化が息づいてきました。
現在は、中野区を拠点とする5団体(うち子ども会1団体)がエイサー活動をしています。
私は沖縄にいた14歳の頃からエイサー活動をしていましたが、その時教わったのが「お世話になっている地域の事を唄い踊るんだよ」ということでした。
なので沖縄のエイサーですが、私は「東京中野真南風エイサー」を結成した時に真っ先に取り組んだのが「東京音頭」の三線・エイサーバージョンでした。
私たちの東京音頭は東京の人にも沖縄の人にも好評で、「沖縄生まれ、中野育ち」という目指す形を体現できたと思います。
今では地元の和太鼓チームとエイサー曲を協演する「中野コラボ」も中野名物のひとつとなっています。
興味をお持ちの方はぜひお声かけください。

また関東のエイサーイベントは、私たちのコミュニティ「東京うちなんちゅ会」のLINE公式アカウントでもお知らせしています。
興味をお持ちの方は以下のリンクからご覧ください↓