2023年6月24日追記:中野チャンプルーフェスタ2023の紹介はこちらをクリック
今回は3年ぶりのリアル開催で復活を遂げた「第18回中野チャンプルーフェスタ2022」の模様をお届けします。
<ご案内>
第18回中野チャンプルーフェスタ2022レポート
中野チャンプルーフェスタは沖縄エイサー踊りの披露を中心としたイベントです。2005年から中野駅北口周辺で毎年7月に開催されています。
中野は1970年に「中野区・沖縄郷土の家」が開設されたことにより沖縄出身者が多く、エイサーや三線などの沖縄文化が根付いている地域でもあります。
沖縄料理の屋台なども多く出店され、中野でありながらまるで沖縄にいるような気分を味わえるイベントです。
実行委員のひとりである上原慶さんも3年ぶりの開催に「新しいスタートができることに安堵してる」とお話いただきました。
今年は前日まで降り続いた雨が嘘のように晴れ、中野エイサーの復活をお祝いされてるかのような青空が広がるなか開催されました。
3つのステージで関東の各エイサー団体や、この日のために沖縄からやってきた糸満市西崎青年会などがエイサーを踊り、さらに島唄、紙芝居、フラダンスなど多様なステージが展開されました。
また、中野チャンプルーフェスタ発祥の道である昭和新道商店街ではエイサーの練り歩き「道じゅねー」も行われました。
そして圧巻だったのはプログラム後半に急遽、企画された和光青年会(世田谷区)と糸満市西崎青年会のエイサーオーラセー(ガーエー)!
これはいわば2団体で対決するラップバトルのようなもので、同じ場所で同時に別の演奏でエイサーを踊り、どちらがリズムやペースを乱さずに踊れるかを競うものです。
屈指の実力を誇る2団体のオーラセーにお互いが、そして会場がヒートアップ!
そのまま締めのカチャーシーになだれこみ、熱狂的な雰囲気のなか大団円を迎えました。
エイサー(お祭り)の意義、コミュニティのあり方
今年の中野チャンプルーフェスタは前夜祭として沖縄の具志川青年会より天願虎南さん、平安座青年会より川端結貴さんをお呼びして「未来を護れ 伝統エイサーを支える3人のシンカ」の上映会とトークショーが行われました。
エイサーの本場である沖縄でもコロナ禍を経て各地のエイサー団体は縮小や活動休止が相次ぎ、危機感が高まっているとのことでした。
しかしそれでも上の世代にたくさんお世話になった恩返しを、エイサーの存続と発展に力を尽くすことで実現していきたいという力強い言葉を若者の口から聞かせてもらうことができました。
かつては多少の強制もありながら多くの人が参加してきたエイサーやコミュニティ活動も、今や個人主義、自由意志が尊重される時代になって転換点にあるように感じます。
そしてそれは日本全体のコミュニティの問題でもあるように感じます。
自由意志は大事だけど、コミュニティが無くなれば個人の心も社会のありようも、より悪化していくのは避けられないのではないでしょうか。
これからはより自発的に「参加したい」と思われるようなコミュニティづくりへの工夫も求められるのかもしれません。
エイサーを含む「お祭り」は人々に元気を与え、未来へのエネルギーを増幅させる力があると思います。
さらに「お祭り」はフェイス・トゥ・フェイスの繋がり、コミュニティづくりに役立ち、多くの人に豊かな生き方をもたらす作用もあると思います。
今後もエイサーが、様々なお祭りが存続・発展して日本をより豊かにしていくことを願ってやみません。そしてそれはきっと可能なはずです。
今年の中野チャンプルーフェスタはそんな明るい未来を確信させてくれるほど、素晴らしいエネルギーに満ち溢れていました。